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遠藤 章; 山口 恭弘; Eckerman, K. F.*
JAERI 1347, 114 Pages, 2005/02
医学,環境,放射線防護等の分野において、人体の被ばく線量計算上必要とされる1034核種について、新しい崩壊データを編集した。崩壊データは、2003年版の評価済み核構造データファイルENSDF(Evaluated Nuclear Structure Data File),最新の原子質量データベースNUBASE2003/AME2003を用いて編集された。各核種のENSDFについて、放出される放射線のエネルギー及び放出率を計算するうえで重要となるレベルスキーム,規格化定数等の評価及び修正を行った。このENSDFから、EDISTR04コードを用いて、放射性核種の崩壊、それに続く原子の緩和過程から放出される放射線のエネルギー及び放出率を算定した。EDISTR04は、ICRP Publication 38(ICRP38)の編集に用いられたEDISTRコードをもとに開発されたコードであり、最新の原子データを取り込み、X線,Auger電子等に対する計算方法について改良がなされている。編集されたデータについて、種々の実験データや評価済みデータライブラリとの比較を行い、その信頼性を評価した。DECDC2と呼ばれるこのデータファイルは、現在、線量計算に使用されているICRP38に置き換わるものであり、今後、さまざまな分野における線量計算に幅広く利用される。
松江 秀明; 米澤 仲四郎
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 262(1), p.49 - 55, 2004/07
被引用回数:9 パーセンタイル:52.68(Chemistry, Analytical)これまでに原研JRR-3Mの冷及び熱中性子ビームで測定された即発線分析用のk係数のうち、中性子スペクトルの影響が無くPGAによる分析が有効な24元素について合計81本のk係数の推奨値を統計処理により求めた。得られたk係数の推奨値から正確なデータが得られている原子量,同位体存在比,熱中性子断面積を使用し、即発線放出率のデータを求めた。得られた線放出率をENSDFと比較した結果、両データの標準偏差はENSDFに近年の測定値が反映されたCaまでの軽元素では10%とよく一致したが、古いデータが含まれる重元素では40%と大きな違いが見られた。
遠藤 章
保健物理, 38(4), p.308 - 317, 2003/12
放射性核種によって人体が受ける被ばく線量を計算するためには、その核種の半減期,放出される放射線のエネルギーや放出率のデータが必要である。これらのデータとして、国際放射線防護委員会(ICRP)が編集した崩壊データ集ICRP Publication 38(ICRP38)が使われている。ICRP38は、1983年の公刊以来、ICRPが提供する一連の線量換算係数の計算をはじめ、被ばく線量計算や安全評価に幅広く利用されてきた。本解説では、ICRP38に焦点をあて、その編集された経緯,特徴及び利用について解説する。さらに、現在進められているICRP38の改訂について、見直しに至った背景,改訂作業の進捗状況及び今後の展開を紹介する。
遠藤 章; 山口 恭弘; Eckerman, K. F.*
Radiation Protection Dosimetry, 105(1-4), p.565 - 569, 2003/09
被引用回数:12 パーセンタイル:62.23(Environmental Sciences)ICRP Publ.38に替わる線量計算用の新しい放射性核種崩壊データベースを開発するために、開発の手順及びそれに係る技術的課題について述べる。データベースの開発には、(1)評価済核構造データファイル (ENSDF) に対する整合性の評価,(2)データ編集に用いるEDISTRコードの改良,(3)他のデータベース等との比較による信頼性評価が必要である。これに対し、これまで原研が進めてきた線量計算用崩壊データベースDECDCの開発で得られた成果及び経験に基づき、データベース開発の進め方について、その方向と具体的方法について述べる。
遠藤 章; 山口 恭弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.2), p.1433 - 1436, 2002/08
放射性核種による外部及び内部被ばく線量の計算には、ICRP Publ. 38の崩壊データが広く利用されている。しかし、Publ. 38は発行後18年が経過し、新しい核構造データに基づく再評価が必要になっている。本研究では、1997年版の評価済核構造データファイル(ENSDF)を用いて崩壊データを編集し、Publ. 38との比較,分析を行った結果について報告する。本研究により、ICRP Publ. 38改訂のための指標を提供することができた。
遠藤 章
日本原子力学会誌, 43(12), p.1191 - 1194, 2001/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)放射性核種によって人体が受ける被ばく線量を計算するためには、その核種の半減期,放出される放射線のエネルギーや放出率のデータが必要である。これらのデータとして、国際放射線防護委員会(ICRP)が1983年に公刊したICRP Publication 38(ICRP38)のデータが利用されている。本稿では、このICRP38に焦点をあて、これが編集された背景やこれまでの利用、そして、現在計画されているICRP38の改訂の動向などについて解説する。
遠藤 章; 山口 恭弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(8), p.689 - 696, 2001/08
被引用回数:4 パーセンタイル:33.39(Nuclear Science & Technology)ICRP Publ.38に収納されている817核種及び新たな6核種のアイソマー並びにPubl.38にない190核種に対して、線量計算に用いる新しい崩壊データファイルを編集した。崩壊データファィルの編集には、1997年8月版のENSDF崩壊データセットを用いた。各崩壊データセットについて、放出放射線のエネルギー及び放出率の計算に重要な基本性質を、NUBASEと照会し更新した。また、強度バランス等に不具合のあるデータセットに対しては、レベルスキーム,規格化定数等を分析し、修正を行った。評価,修正後の崩壊データセットをもとに、EDISTRコードを用い、崩壊に伴い放出される放射線のエネルギー及び放出率を計算した。編集された崩壊データは、Publ.38及びNUCDECAYの2種類の形式のデータファイルとして整備された。本データファイルは、放射線防護における線量計算に広く利用されるとともに、Publ.38の改訂のための有用な情報を提供する。
遠藤 章; 山口 恭弘
JAERI-Data/Code 2001-004, 157 Pages, 2001/03
ICRP Publication 38(Publ.38)に収録されている817核種及び新たな6核種のアイソマーに対して、線量計算に用いる新しい崩壊データを編集した。崩壊データの編集には、1997年8月版の評価済核構造データファイル(ENSDF)の崩壊データセットを用いた。各崩壊データセットについて、放出放射線のエネルギー及び放出率の計算に重要な基本性質を、核レベル・崩壊データベースNUBASEとの照会により更新を行った。また、エネルギー,強度バランス等に不具合のあるデータセットに対しては、データセットのフォーマット,レベルスキーム,規格化定数等を分析し、修正を行った。評価,修正後の崩壊データセットをもとに、EDISTRコードを用い、崩壊に伴い放出される線,線,線,内部転換電子,X線,Auger電子のエネルギー及び放出率を計算した。編集された崩壊データは、Publ.38及びNUCDECAYの2種類の形式のデータファイルとして整備された。本データは、放射線防護における内部及び外部被ばく線量評価に広く利用されるとともに、ICRP Publ.38の改訂のための有用な情報を提供するものと考えられる。
遠藤 章; 山口 恭弘
Proceedings of 10th International Congress of the International Radiation Protection Association (IRPA-10) (CD-ROM), 8 Pages, 2000/05
放射性核種に対する被ばく線量計算において、現在最も広く用いられているICRP Publ.38の崩壊データベースについて、最新の核構造データに基づく再評価及び追加データの整備を行った。Publ.38に収録されている820核種について、1997年版のENSDFを用い崩壊データを編集し、Publ.38との系統的な比較を行った。その結果、崩壊データの更新を必要とする核種が多数あることを明らかにし、Publ.38の改訂のための指標を得た。また、半減期10分以上の核種でPubl.38に収録されていない162核種について、新たに崩壊データを編集し、データファイル及びデータ集として整備した。これらは、今後、放射線防護における内部及び外部被ばく線量評価に幅広く利用できる。
遠藤 章; 田村 務*; 山口 恭弘
JAERI-Data/Code 99-035, 355 Pages, 1999/07
半減期10分以上の核種の中で、ICRP Publ.38に収録されていない162核種について、被ばく線量計算用崩壊データを編集した。データの編集には、1997年8月版の評価済核構造データファイル(ENSDF)の崩壊データセットを用いた。対象とするデータセットについて、核レベル・崩壊データベースNUBASEとの照会、ENSDF評価用プログラムによる解析等を行い、データセットの分析及び修正を行った。これらのデータセットから、EDISTRコードを用い、崩壊に伴い放出される線、線、線、内部転換電子、X線、Auger電子等のエネルギー及び放出率を計算した。計算結果は、Publ.38及びNUCDECAY形式のデータファイルとして整備した。この中で、Publ.38形式のデータ及び崩壊図を、本報告書にまとめた。本データは、放射線防護における内部及び外部被ばく線量評価に幅広く利用できる。
遠藤 章; 山口 恭弘
Radiation Protection Dosimetry, 82(1), p.59 - 64, 1999/00
被引用回数:2 パーセンタイル:21.17(Environmental Sciences)ICRPが内部被ばく線量評価のために与えている線量係数は、ICRP Publ.38の崩壊データを用いて算出されている。Publ.38は1970年代の評価済核構造データファイル(ENSDF)の崩壊データをもとに編集されたが、その後のENSDFの再評価により、Publ.38に収録されている核種の中には、崩壊データが変更されているものが多数存在している。本研究では、最新版のENSDFから編集した崩壊データと、Publ.38のデータとの比較を行い、これらの違いに基づく線量係数値への影響について検討を行った。その結果、いくつかの核種については、用いる崩壊データにより線量係数が大きく異なるため、Publ.38のデータを再編集する必要があることが明らかとなった。
中川 庸雄; 渡部 隆*; 飯島 俊吾*
JAERI-Data/Code 97-050, 103 Pages, 1997/12
評価済み核データライブラリーJENDLに格納された核分裂生成物核種(FP)の核データ評価に使用した計算機プログラムのうち、共鳴領域より上のいわゆるスムースパートでの評価に使用したプログラムについてまとめた。多数のプログラムが、核データ評価のためのパラメータの決定、理論計算、計算値や実験データの処理のために使われた。その中で、レベル密度パラメータ決定に使われたプログラム(ENSDFRET,LVLPLOT,LEVDENS)、理論計算用プログラムCASTHYのJCLを作成するプログラム(JOBSETTER,INDES/CASTHY)、CASTHYの出力データをENDFフォーマットに変換するプログラム(CTOB2)について、その使用法を説明する。
須山 賢也; 増川 史洋*; 井戸 勝*; 榎本 雅己*; 田久 秀一*; 原 俊治*
JAERI-Data/Code 97-021, 86 Pages, 1997/06
COMRADは原研において開発された燃焼計算コードであって、COMRAD96は、COMRADを「断面積処理」「生成崩壊」「ポスト処理」のモジュール群に分けて、EWSに移植したコードで、UNITBURNとの連携によって、燃焼中の中性子スペクトルの変化を考慮した計算が可能であり、線スペクトルの端末上で図示も可能である特徴がある。本レポートは、COMRAD96の一般記述と入力データの説明からなっている。
外川 織彦; 山口 勇吉
JAERI-Data/Code 96-003, 25 Pages, 1996/02
原研で開発した被曝線量換算係数算出コードシステムDOSDACでは、放射線データを算出するための基礎データとしてENSDF崩壊データを使用している。ENSDF崩壊データを直接用いる場合、データの不備・欠陥などの注意を要する点が時として見受けられる。DOSDACコードシステムでは、ENSDF崩壊データの更新時あるいは使用時に、4つの支援計算コードを通じてデータの不備・欠陥をチェック・修正することによって、誤った放射線データの算出を避ける工夫をしている。本報告では、線量換算係数の算出のために使用されるENSDF崩壊データの更新と保守の方法を記述した。
片倉 純一; 大島 真澄; 喜多尾 憲助*; 飯村 秀紀
Nuclear Data Sheets, 70, p.217 - 314, 1993/00
質量数125を持つ全核種の評価済み核構造実験データをまとめ、公表する。放射性崩壊及び核反応の研究から得られた核準位及び転移に関する全ての核構造データを比較・評価し、それらの推奨値を与えた。評価済みデータはENSDF計算機ファイルとしてまとめられ、Nuclear Data Sheetsに図表として掲載されると同時に、原子炉の崩壊熱評価などのためのデータベースとして利用することができる。
須賀 新一; 外川 織彦; 田村 務*; 山口 勇吉; 河合 勝雄; 押野 昌夫
JAERI-M 92-110, 74 Pages, 1992/07
加速器から生成する放射性核種の中には、ICRP Publ.30で扱われていない核種も多い。それら78核種の年摂取限度がコードシステムPIEDEC-Rによって計算され、また関係法令に対応する濃度限度等を求める計算が東大核研グループによってなされた。その結果をまとめた論文の発表に先立って、計算の方法と結果を比較し、検証してみることが提案された。本報告は、その提案を受けて、上記78核種中の12核種を選び、コードシステムDOSDACを用いて、それらの年摂取限度を計算し、DOSDACとPIEDEC-Rの結果を比較したものである。また78核種について、PIEDEC-Rで計算された年摂取限度から空気中濃度限度等の算出についても計算結果を比較した。
内藤 俶孝; 原 俊治*; 井原 均; 片倉 純一
JAERI-M 86-121, 159 Pages, 1986/08
核燃料施設の安全評価に必要な、使用済燃料中の各核種の量、放射能強度、放出線、線及び中性子のエネルギ-・スペクトル、崩壊熱等を計算するために、核種崩壊デ-タライブラリJDDLと計算コ-ドCOMRADを作成した。JDDLは、最近の核デ-タを取り入れる為に、主として評価済核構造デ-タファイルENSDFから作成した。短半減期の核種についてこのデ-タファイルを補充する為に、日本核デ-タ委員会で評価されたJNDCデ-タセットも使用した。これらのデ-タを用いる事よリ、照射後短期から長期に渡る計算が可能となった。
片倉 純一; 原 俊治*; 内藤 俶孝
JAERI-M 83-016, 45 Pages, 1983/02
評価済核構造データファイル(ENSDF)を用いて、放射性核種の生成量、崩壊熱、ガンマ線スペクトル計算用の崩壊データライブラリーを作成した。崩壊熱、ガンマ線スペクトルの計算を通してENSDFにおけるデータの適応性を検討した。冷却時間の短い所では、崩壊熱、ガンマ線スペクトルとも実験値より低目に算出された。冷却時間の長い所では両者とも満足すべき結果を得た。これらの原因についても考察を行った。